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日本茶の店 清水茶寮からのお便り

店主の徒然日記、ハーブ園から、森林から便りが届きます・・・

みかんの重さ

届いたみかん
11月も、もう一週間が過ぎてしまった。大事に思う人の訃報が続いたことも
あり、少々気持ちに今一つ元気が出なかった10月。

ある日長野から“栗”や、“ぶどう” が種類豊富に届き、色とりどりの味わい
を大いに楽しんだ後には、千葉からお米と一緒に、庭に実った“栗”や“柿”
や“みかん”が届いた。

いかにも家の木に生っていました、といった表情のでこぼこ“柿”に季節を感
じたが、これまた「きれい」とは言い難い“みかん”を
「もう、庭の木のみかんが食べられるような季節なのか・・・」と手にして
しげしげと眺めていたら、

言葉にすると大げさになるけれど、
「たえまく、この世には命を養う力が満ち溢れているだ」
と、みかんの重さが実感させてくれて、心にじわじわと元気がはいった。

日照りや台風といった天候に泣かされた宮崎からも、
評判のよい<バジルペースト>や<ホーリーバジル>が届いてきた。
同じような天候の下、熊本の農家さんの作った<ぽっこ焙じ茶>も、
一息つける美味しさと評判。

季節の“命を養う力の結晶” だと自身が思えるような“実り”に出会えるか
否かは、情報量の多さによるものではないだろうから、そのように思える
場面を、自分をぜひつくってみて下さい。
恵まれた日本の秋。大事にお過ごし下さい。                                                     




                                                                                                  
  1. 2015/11/01(日) 23:56:58|
  2. 店主の日記

月と焙じ茶

仲秋の名月
抹茶のお稽古場にと、毎月色紙を書いて下さる方が、先月の9月には
「月白風清」と書いてくれた。
「月白/月代」とは辞書では、月が東の空に昇るのを前に、空がだんだん明る
く白んでいく様子をいう。また、十五夜の月の出を待つ月見客たちの待ち焦が
れる思いを表している、と説明されている。たった四文字だが、
白く美しい月が天上に輝くのを望む気持ちと一緒に、鎮まった夏の暑さ、響く
秋虫の音色、心地よく腕を撫でる夜風の感触・・・日本に長く住む人は、何と
なく同じような、秋の初めの匂いまで思うかもしれない。言葉は素晴らしい。

さて、話はお茶の話。
熊本の阿蘇で、バイオダイナミック農法(BD農法)という有機農法を実践して
いる「ぽっこわぱ耕文舎」という農場で作られた、「ぽっこ焙じ茶」というお茶を
近々販売することに致しました。200g1,500円の予定です。

月やその他の天体の動きが植物に与える作用を暦にした、「種まきカレンダー」
と呼ばれる農業暦にしたがって、種まきや収穫などを行っている農法です。
土づくりのための肥料は、調剤と呼ばれていますが、牛の角やハーブ等を使っ
て作ります。
この農場については、後日お茶の販売ページでご紹介したいと思っていますが、
山奥の、大人も子供も動物も植物もたくさんの、豊かな農場です。

日常のお茶として、子供ちゃんたちからご年配の方までどなたでも飲める、胃に
負担のかからないような焙じ茶。ようやく販売出来ます。どうぞお楽しみに。

  1. 2015/10/01(木) 16:42:28|
  2. 店主の日記

台風と収穫

月光白茶
8月24日の夕刻。中国雲南省の“月光白茶”と呼ばれるお茶を楽しみながら、
私は九州を上陸した台風15号の更に更にその上空の、国際宇宙ステーション
と輸送船との壮大な場面に気持ちが飛んでいた。はかり知れない広大な宇宙
の中での、人の英知と努力によるスケールの大きな仕事の凄さを思っていた。

その翌日、宮崎県のハーブ茶の作り手の尚美さんからメールが届いた。

今回 台風の影響で畑の被害が出ています
先ほど 倒れた苗を起こすのを 手伝ってもらいました
今は 停電も続いているので お茶のパック詰めが出来ない状況です
明日は 朝から土が濡れている間に土寄せして 
苗を起こす作業をする予定です
今回の台風は 山の畑も木が倒れたり 風がかなり 強かったです
今 出来る最前を尽くし 後は 作物の力を信じてます

・・・そして翌日のメールー
今日は 電気も復旧しました
苗起しも 気になるところは終わり 今日からハウスの修理を始めました
週末の雨の前に ビニールをはることになりました
明日の夕方には お茶のパック詰めを始めます
ネトルはあまり多く収穫出来ていませんが、 少しお送りします
                                       尚 美

収穫にも、暮らしにも予想外の被害を受けながらも、猛烈な台風を耐え忍び、
そこに根を張り続けてくれたハーブ達を立て直す作業に追われる生産者さん。
気持ちを立て直し、被害に対応していく仕事ぶりに心の中でエールを送る。

今朝、朝食に千葉から届いた新米があがった。
新米の匂いをかぎながら、精一杯の感謝を込めて「いただきます!」
感謝に手を合わせずにはいられない。
せめて手元に届く産物が、対岸のことでなく、もっともっと自分の足元のことの
ように思える意識を育てたい。
  1. 2015/08/29(土) 13:56:26|
  2. 店主の日記

暑中より結ぶ

伸びる蔦
東京は久しぶりに雨。雨上がりの夜半、鈴虫が鳴き始めた。
ひと雨が秋を招いたのか。涼やかな虫の音がすべてを静めている。

さて、今日読んでいた冊子に南宋時代の詩人、戴復古(1167-1248)の詩が
載っていた。“天地一大窯”   天地はまるで大窯のようだ、と始まるこの詩、
今年の夏はまさしくこの状況、と頷いたが、

その後に、 “君看百穀秋”  君看よ百穀の秋
        “亦自暑中結”  また暑中より結ぶを
という詩が続いている。
本当にそうだ、と800年近くも昔の詩人に頷かされた。当たり前だが、秋の実
りはこの暑さの中で実を結んで行くのだ。

上記の写真は7月のものだが、
長く伸びた蔓がなぜ倒れず上に上にと伸びているのか不思議に思った母が
よくよく見たら、
からまる蔦
この写真の真ん中よく見て下さい。
他の植物に絡みついて体制を整えは成長を続けているのです。

見事に逞しく生きている植物の姿に、植物といえども大事にしないと、
という気持ちにさせられたことを思い出した。

暑さに耐えるのが精一杯の今年の夏だが、秋に続く残りの夏の日を、
どうぞ大事にお過ごし下さい。
  1. 2015/08/17(月) 23:07:24|
  2. 店主の日記

おじいちゃんとまこちゃん


知人のまこさんは 明治生まれのおじいちゃんが大好きだったと言う。
横浜育ちのお洒落なおじいちゃん。
想い人と駆け落ちして京都に住まれていらした。

夏休みに・・じゃない・・いつもか・・・おじいちゃんの家に遊びにいくでしょ、
「やれやれやっと家に着いた。とりあえず座って・・・」っていう、着いたばかりと
言うか、絶妙なタイミングでおじいちゃんが珈琲を淹れ始めてくれるの。

おじいちゃんはAの店ではこの豆、Bの店ではこの豆って決めていたみたいで、
それをこだわりの配合でブレンドして、ネルを使って丁寧に淹れてくれるの。
いつも。子供にも。
小学生だった頃は、母は私にカフェインがあるものを飲ませたくなかったんだけ
ど、おじいちゃんは「ちゃんと麦茶で割ってあるから大丈夫」って。

「僕とまこは仲良しなんだよね」って言って、食事に連れて行ってくれることがあ
っけど、その時は必ずパリッとしたシャツに着替えて出かけてくれたの。
祖母が亡くなった時は、モーニングの礼装姿に、
「あー、カッコイイ」と思っちゃった。

この話、幾日も素敵だな、と思っている。
戦前の開港されたモダンな横浜を知り、戦争を経験されたおじい様の、晩年
にこだわって楽しまれた一杯の珈琲の場面を思うと、挽きたての珈琲の香り
がしてくるよう。一杯のお茶にこだわる。そんな余裕をもつことは素敵だ。

子供にも大人と同じように、でも、子供への配慮は十分に。
一人扱いを受けて、丁寧に淹れた最上の珈琲の味を、まこさんはどんなに嬉
しい気持ちで飲んだであろうか。珈琲を淹れるしぐさや珈琲の香りにも、心と
きめいたに違いない。
珈琲を淹れた、というだけの場面であっても、子供心に大切な思い出になる
こともあるのだ。

「あなたは特別だから」と、おじい様はお孫さんと食事に行くことが本当に嬉し
かったのだろうけれど、それを服を着替えて、と行為にするおじい様は私も憧
れる。子供といえども、相手に礼を尽くして服を着るという行為はカッコイイ。

夏休み。大人も子供も同じゲームの中、だけではつまらない。
大人のたしなみをちらりと垣間見て、素敵だな、と憧れる、そんな場面を子供た
ちが経験出来たらよいけれど、そんな場面がまだまだ作れそうにもない自分を
思い、少々反省。
  1. 2015/08/15(土) 15:02:56|
  2. 店主の日記

木槿(むくげ)の花が咲いた

むくげの花
昨年の晩夏。稽古場先で「ちょっと“むくげ”の選定をしたところ」とのことで、
剪定された一枝の“むくげ”を頂戴した。
持ち帰った一枝を見せながら、「これ鉢植えに挿しても花が咲くかなぁ・・・」
「咲くさ。鉢植えだってなんだって。花は咲くよ」と父が言った。

「ふーん。」
少しの間花を楽しんだ後、固く小さな花芽が1つ残った枝は、冬の間は花瓶
で根を伸ばし、この春鉢植えに移した。あまりに小さくてか弱い枝だったので、
鉢が風避けになるように、鉢植えの土を半分だけ入れて枝を挿したら「あん
たなにバカなことやってんの。」と父は笑っていた。

今日、そのむくげが咲いていた。写真はとても下手だが、実物はなんとも愛
らしい色をした、小さな小さな花だ。あの20㎝足らずの茶色い枝から、こん
な綺麗な花がよくぞ咲いたものだと、感激した。

先日亡くなった父が「ほら、な。」と言っているに違いない。
  1. 2015/07/25(土) 11:13:11|
  2. 店主の日記

雁がね茶で冷茶を!

雁がね茶で作った冷やし茶
蒸し暑さも手伝って、先週から今週にかけて、「冷やして美味しいお茶は?」と
言ったお問い合わせが増えている。「TVで緑茶の冷茶を紹介をしていた・・・」と
お伝え下さるお客様も何人かいらしたので、その影響も大きいか。

夏に熱いお茶飲んで一汗かいて、扇風機の風に吹かれてさっぱり、というのは
風物詩だが、ここ数年来の息苦しいような暑さでは、冷茶が何よりのご馳走だ。

当店では、水出し出来るティーバッグの<冷やし茶>をご用意しているので、
冷茶の一番人気はこのお茶。「サッパリとしていて美味しい」、とずっと好評だ。
このティーバッグは釜入り製法の緑茶を詰めているので、緑茶のもつ爽やかな
苦さがさっぱりにつながる、というよりも、透明感のある、喉越しのよいサッパリ
感がよい。刺激がないので、子供にもおすすめ。

私は家族の為に冷茶を作り置きしておくが、自分で飲むには大概その場で作る。
すぐに飲みたければ抹茶を茶筅でちょちょっと振って、氷をいくつか入れれば、
2分とかからず好みの味の冷茶が出来る。

緑茶の冷茶なら、雁がね茶の<伊勢の緑>がおすすめ。
もともと<伊勢の緑>は爽やかなお茶だが、冷茶にしてもとても美味しい。
急須に茶葉を入れて、氷水をいれて10分~15分。
常温で置いておくなら氷を多めにすることをおすすめ。
ちょっと時間がかかってもよいなら、急須ごと冷蔵庫に入れて冷やしてもよし。
氷と、呼び水になる程度のほんの少しのお水を入れて、ギュッと緑茶のうまみ
を抽出した冷茶はご馳走。わずかのお茶しか出来ないが、ひと口飲んだ後の
清々しい余韻は素晴らしい。

水出しした茶葉は一回か、少し多めに茶葉を入れておけば2回は水出しが楽しめ、
後は熱湯で入れて緑茶の風味を楽しむことが出来る。

後はぜひ、ミントやレモンバームといったハーブとのブレンドをお試し頂ければ、
ちょっとお茶に入れるだけで、熱くても、冷たくしても清涼感が楽しめます。

これから猛暑の季節。美味しい水やお茶をどうぞたくさんとって、快適にお過ご
し下さい。
  1. 2015/07/16(木) 09:37:07|
  2. 店主の日記

新茶 ようやく販売始めました

2015年の新茶 藤かおり
6月もまだ半ばだが、すでに“新茶” という宣伝文句が聴こえてこなくなってしまった。
世の中の興味の対象移りが早いこと、早いこと。日本茶の南の産地は早ければ新茶
が3月後半に仕上がるので、“新茶”の旗を上げてから既に3か月。祭りは終わり、と
言ったところだろうか。新茶の良さはフレッシュな香りだが、それにしても、走りの新茶
だけで新茶の楽しみは終わり、ではもったいない。
当店では、新茶のフレッシュな香りを残しつつ、そのお茶らしい風味が顔を出し始め、
さらには、一煎飲んだらクラクラっ、とくるような新茶の強い刺激が和らいだ頃を見計
らって、新茶の販売を始めているものだから、今年もようやく、“新茶販売開始です”
の旗を上げ始めた。
お茶本来の味わいが出てくるのは、その年々のお茶によって全くまちまちだが、大方
夏の頃から、あるいは、一年近く経ってようやく、ということもある。これはとても興味
深く面白いことなのだが、お茶屋としては売りはぐねてしまうこと多々なので、頭が痛
いところでもあるし、お茶好きとしては、残念なところであります。
販売を始めた<藤かおり>と<紅蘭>はもう十分にこのお茶らしさが出ているので
おすすとしてご紹介始めました。
まだ、その他のお茶は、そのお茶らしい味わいが十分に出ていないので、販売は始
めていませんが、そんな過程のお茶を是非、試してみたい!と思われる面白好きの
方はどうぞお問い合わせ下さい。成長過程のお茶、ご紹介致します。


  1. 2015/06/18(木) 22:29:46|
  2. 店主の日記

カミツレ(カモミール)のサンプル届きました

摘みたてのカミツレ

カモミールの収穫時期、ハーブ園は一番忙しくなります。
・・・という生き生きとしたお便りと一緒に、<カミツレ>のサンプルが届きました。

今年も期待通り、まるで摘みたてのような色鮮やかな<カミツレ>が、お茶に
なって届きました。

摘みたてのようなカミツレ

10分程度の時間であっても、手間をかけて色鮮やかに仕上がった<カミツレ>
の甘いりんごのような香りで、肩から力が抜けてよい休息時間になりました。
今週中には本格的に入荷予定です。
バイオダイナミック農法の香り高い<カミツレ> お楽しみ下さい。


  1. 2015/05/14(木) 10:23:02|
  2. 店主の日記

お茶の醍醐味

20年前の烏龍茶「大紅袍」
「せっかくだから用事ついでに岩茶(中国福建省の武夷山に生息する茶の木か
ら作られる希少な烏龍茶)を飲みませんか?」と連絡が入った。

以前はよく一緒に中国茶を飲んだ、久しぶりに会う友人に、「ではスペシャルに、
20年位と15年位経った“大紅袍”(だいこうほう/岩茶を代表する銘茶)を飲んで
みる、というのはどう?」と誘い、我が家に招いた。
ようやく、20年、15年と経ったお茶を飲む機会が作れた未開封のお茶を、友人
が何煎淹れてくれたか分からないが、話を楽しみ時間をかけて、随分と味わった。
大自然の中で様々な動植物と共存して生息している木のお茶の味わいは、何十
年経ってもバランスよく、深く息を吐き切った後のような、静かで澄んだ余韻が心
地よい。
封を開けたその後は、このお茶は手元に置いてある。

今、我が家は一大事、というような慌ただしい毎日が続いている。
宵の明星に目が止まり、急ぎ足を緩めた時や、月明かりにひと息ついた時に、何
とはなしに 遠く1000年前の枕草子の「星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良い」
という清少納言の一節が浮かび、しみじみとしたお茶が飲みたくなる。
そして、真夜中の、さて頑張ってこれからもう一仕事、という場面に、このお茶が
お供してくれている。
お茶は私には有難い。




  1. 2015/05/02(土) 14:37:08|
  2. 店主の日記

60歳の誕生日会に招かれて

美作晩茶とかりんとう
「60歳になる女子達が、可愛く記念誕生日会を開くから、そこでちょこっとお茶会開い
てくれない?料理自慢の友人が、腕を振るってディナーを用意するから、それを含め
てどう?」とお誘いを受け、後学の為に・・というよりディナーに惹かれて二つ返事。
60歳。これからどう暮らしていくか、という話も含め、楽しく、美味しい時間をおすそ分
け頂いてきた。
私からは、皆様へのエールの気持ちを込めて、どれももう、作られなくなってしまった
お茶だが、九州、岡山、高知の在来のお茶で、作り手の方が80代の年で作られたお
茶を3種類お持ちした。私の知る限りの、お茶作りの大変さをお伝えし、高齢の体で
それを成し遂げる真面目さや大変さを思い、時間を急がず、丁寧に作られたお茶を、
皆様、しみじみと味わって喜んで下さった。

また、意外な程、お茶請けにお持ちした “かりんとう” が大好評であった。
説明には、信州安曇野のかんりとうブランドの「蔵久」と養命酒製造㈱が運営する
ショップ「くらすわ」とのコラボにより誕生した「和養生かりんとう」とある。
黒ごま、みかんの皮、ウイキョウ、シナモン、サンザシ、ガジュツ、といった和漢素材
を配合してある“かりんとう”で、なかなか面白い味。
「なんだか、体が元気になる気がする」、と皆様のテンションが上がった。
気持ちが上がるのは大事。大事。

私はこの「くらすわ」という施設が気になっている。
施設の運営はあの“薬用養命酒”の会社がしているのだが、紹介には、
「くらすわ」は、養命酒で培ったノウハウ、そして永きに渡って築いてきた信州の独自
のネットワークを生かすことで、信州における本当に美味しいもの、からだにいいもの、
生活に潤いを提供するものを積極的に商品化し、皆様一人ひとりのためにお届けす
る施設です、とある。

東京にはたくさんの各地のアンテナショップがあるが、ちょっと横並び感を感じてしま
うところがあるが、「くらすわ」はそれとは少し違う趣で、根っこをどんどん伸ばして、
たくさんの信州のよいものを発信してほしい。
今日の3種類のお茶は、どれも手作りのお茶だったけれど、作り手が違い、作り方が
違い、茶葉の育った環境の違いがあって、それぞれの美味しさがあったと思う。
これを本当に大事にしたい。

「くらすわ」は長野県の諏訪湖のほとりにありますが、ネットショップもあります。
ご興味ある方はのぞいてみて下さい。
  1. 2015/04/13(月) 01:23:09|
  2. 店主の日記

成長の季節

摘みたてのレモンバームティー
ハーブをせっせと育てている妹が、「今年はレモンバームの葉が、いつもより2倍の
大きさに育ってるんだけどどうしてだろう・・・」と葉を何枚か持ってきた。
確かに大きい。今年は梅や沈丁花の花の香りもさほどしなかったし、近くの桜並木も、
一斉に咲き始めた頃は、輝くような桜色が美しかったが、すぐに沈んだ様にくすんでし
まった。お茶屋とすれば、今年の新茶の仕上がりがなんとなく気になる。

とは言え、うみ風ハーブ園からの便りを読めば、当店の春の新茶の皮切りとなる
<カミツレ>は順調な成長を遂げているようであるし、小柳さんの畑も今年は霜
に当たることなく、今のところはどの苗も順調に育ち、「うまくすれば印雑(香蘭)
の収穫は、21日頃出来るんじゃねえかと思うけんど。」とおしゃっている。
自然茶は、心配に及ばず。

「ミントの葉を入れすぎちゃった!」と言いながら、妹がミントとレモンバームのブレン
ドティーを入れてくれた。
よい香りではないか、・・ひと安心。

作り手が作った種類だけ全部のお茶を、お客様にご紹介出来るように仕上がります
ように、とこの時期祈る思いが続く。
今年の5月は、毎年の旧宮川村での現地の方との交流が楽しいお茶作りには参加
出来ないのが残念だが、初めて東京の山茶での紅茶作りや、煎茶のお稽古に通う
方々と静岡の小柳さんの畑へ、お茶作りのお手伝いに伺う予定、と楽しみだ。

花冷えの日が続くが、もうあっという間に新緑の新茶の季節がやってくる。
今日の冷たい風もなんのその、新茶の頃を思うと心が明るく弾む。
皆様もどうぞ、今のところ順調に成長している、今年の新茶の仕上がりを
楽しみにお待ち下さい。


  1. 2015/04/10(金) 01:46:31|
  2. 店主の日記

春を告げた クレソン

故郷からのクレソン
新聞の広告用紙に包まれて、届いたたくさんの野菜。
美しい黄緑色の、茎の細い、なんとも柔らかそうなクレソンに目が止まり、父の故郷
に春が訪れたことを知り、気持ちがほころぶ。

学校を卒業すれば、長男以外の男子は家を出るのが当たり前、父も長靴とワイシャツ
2枚だけを持って東京に出てきたという。その時から祖母は父に季節を問わず、故郷
の産物を送り続け、今は後を継ぐように、畑をもつ姉の叔母たちが合間をみては、自
らの畑の野菜や特産物を送ってくれている。
東京の台所事情を考慮して、泥付きの野菜を丁寧に処理して、きれいに整えて送る
作業は手間のかかることだが、もう何十年も続いている。
年がら年中送り物が届くが、届く度に父は「有難いな、有難いな」と目を細め、一番に
箱を開ける。飛び出す田舎の匂いを確かめているようで、母もその楽しみを奪いとら
ないよう、箱を開けることだけはいつも父に譲っているが、叔母たちはどんな気持ちで、
この荷を作っているのだろうか。
荷物は我が家族宛に送ってくれるのだが、そこには、数十年前の、年の離れた弟が
故郷を立った時の、安否を思う気持ちがずっと続いているのか、その愛情を思う。

今世界中に、故郷の物を送りたくても送れず、故郷の物を食べたくても食べられない
人たちがたくさんいることを思うと、なおさら、届く野菜たちが有難い。本当に有難い。

届いたクレソンは早速水洗いし、軽く塩。トーストしたパンに<バジルペースト>を塗り
たっぷりとクレソンを挟み、シンプルなサンドイッチにして頬張る。柔らかな、食べよい
旬のクレソンは、香りも辛みも心地よい。

3月11日が近い。4年前の春はとても寒かった。・・・思うこと色々。







  1. 2015/03/08(日) 11:00:04|
  2. 店主の日記

2月の思いがけないお客様

平成13年と平成18年のお茶
2月の日。飲んだお茶は、もう、10年以上前に作られた、平成13年と18年の宮崎
県の椎葉村のお茶。自然のままに育った、山のお茶。
10年来の知人のA氏が、思いがけなく海外赴任が決まった。
「この年になってびっくりしたよ。」
飲む前に焙じている茶葉の匂いを思いっきり吸い込みながら、ポツリ。
物騒な世の中。寂しくも単身赴任とのこと。
「10年以上前のお茶を、思い返したようにこうして焙じては飲むってさすがだなぁ。
白井さんも、あのアメリカ人のなんとかって言う絵本作家のあばあさんに憧れ
てる口でしょ。丁寧に暮らしてる感じがあるもんね。」

「ターシャ・チューダーのことですか?
ターシャの〝思うとおりに歩めばいいのよ”って言う生き方を通してのメッセージは
説得力がありますよね。」
「実践したってのがすごいよね。男はなかなかね。
ま、お茶だって、手をくわえりゃあ10年経ってもこうやって楽しめるんだから、僕も
向こうにいったら(自分に)手を加えて、味のある年配者を目指さないとね。」
・・・・
「勉強になったお茶でした。では10年後っていう程じゃないけどお元気で。」

「お元気で。」の短い祈りの言葉が心に残る。
いきつもどりつの春への時間。
春に向かう季節の柔らかな陽射しが、優しく思えた。
  1. 2015/03/05(木) 15:07:28|
  2. 店主の日記

2月の思いがけないお客様

ハブ茶
昼近く、PCに向かっていたらいきなり襖が開き、嫁いだ妹が立っていた。
「あれ?どうしたの?」
「・・・お茶飲みながら話があるんだけど。」
え?オ・チャ・ノ・ミ・ナ・ガ・ラ?

私はそれこそ「お茶でも飲みながらお話しましょう」というフレーズはよく使うが、神妙
な顔でそれを言われると、なにやら怖い言葉だな、と初めて思った。
なにか怒らせるような悪いことしたっけかな?
「緑茶でいいの?」
「アップルパイ買ってきたから、コーヒー入れる。」
・・・妹はお茶も好きだがコーヒーが好き。
届いたばかりの<ハブ茶>をすすめようとも思ったが、やめておく。
「で、何?」
「ねーこれさぁ、どうやって弾いたらいいか分かんないんだけど。」
はぁ?ギターを習い始めていた妹が、先生にうっかり口にしたことで、ハードルの高い
曲を弾くことになり、お手上げらしい。真剣な顔して、これかいな。体の力が抜ける。

「お茶を飲みながら・・」のセリフが急に可笑しくなるが、それだけ真面目にやっている
のだから、ま、いいか。
さて、私のギターの練習歴なんて微々たるものだから、楽譜見ながら二人でおちおち。
だったらいっそ、まだましであろうピアノで曲はこんな感じと覚えた方がいいかも、と全く
ギターには役に立たないアドバイスをすることになるのだが、仕方がない。
数十年ぶりに、ピアノを弾く妹の指と背中を見守った。妹とは中学生まで一緒に電車で
ピアノのレッスンに通った。小春日和の長閑な昼時。昔、昔を思い出す。

「ありがと、ありがと。どうにかなると思うわ。」
子供が学校から帰ってきちゃう、と母が用意した昼食も食べずに慌てて帰っていった妹。
届いたばかりの<ハブ茶>とサンドイッチで昼食を取りながら、事の次第を話すと、母は
可笑しそうに笑った。

今季のハブ茶の収穫も、天候や野生動物の被害でどうなることやらとひやひやしましたが、
無事入荷を始めています。手間も暇もかけて仕上げているハブ茶は、香ばしい美味しさです。
美味しさと効能で、一年をまたずに売り切れてしまう評判のよいお茶です。
日常のお茶として、おすすめしております。
  1. 2015/03/01(日) 16:34:29|
  2. 店主の日記

2月の思いがけないお客様 

香蘭と梅
アッという間に2月も過ぎてしまったが、それにしても、思いがけないお客様が
多い月だった。

友人の友人が仕事の関係でフランスからお客様をお招きしたが、観光には1日しか時
間がない。そのお客様から突然、美味しいお茶が飲みたい、というリクエストが出たが、
「改めて美味しい日本茶と言われても・・・」と首をひねり、巡り巡って、前日の夜、私の
処まで縁がつながってきた。
すでに予定は入っていたが、〝美味しい日本茶”という知人の上手な言葉のエサに引
きずられ、翌日の朝に来て頂くことにした。

翌朝のお客様の滞在時間は40分。1時間はと思って準備をしたので、さて、どうしよう。
お客様は抹茶が飲まれたいのかな、と思いつつも、しっかりとした「甘い」「苦い」「渋い」
「爽やか」を同時に味わえる、ふくよかな抹茶は、一服で満足される可能性がある。
私とて、当店の抹茶<清爽>は、爽やかな余韻が自慢なので、他のお茶と飲み比べる
という楽しさより、ゆっくりと味わってもらいたい。
抹茶の美味しさは捨てがたいが、外国のお客様に、日本には抹茶以外にも美味しいお
茶があることをご紹介したい。

どうしよう。簡単な紹介を受けながら、頭が巡る。まずはの一杯を何にしようか・・・。
と、お客様が笑顔で、中国茶がお好きだと言った。「あっ・・それならば・・」。
急ぎ、我が家の小さな小さな白梅の木から咲きほころんだ花をいくつか摘み取り、そ
の梅の花と、香りのよい緑茶<香蘭>をお出しした。香りをじっくり楽しまれているお
顔が美しい。中国から伝来した梅は、日本でも昔は桜の木以上に愛でられていたこと、
<香蘭>は烏龍茶の作り方が生かされているお茶、という話に笑顔で驚かれ、
「日本は何でも独自の文化にして、綺麗に仕上げてしまうのが素晴らしい!」とのこと。

梅干しを少しだけ混ぜ込んだ小さな温かいおにぎりをお茶請けに、<秋冬ばん茶>を
煮だしてお出ししたが、自然のままに育ったお茶の説明が、どこまで伝わったか分から
ないが、枝ごと入ったお茶を面白そうにご覧になり、枝も美味しさのひとつにしてしまう
ことに、関心されておられた。

抹茶をお出しする前にタイムアウト。これから皇居へ行ってみるというお二人に、
景品でもらった携帯用マグに<岩しみず(天日干し)>と熱湯を入れて、お渡しした。
紙コップ2つ。〝かりんとう”を数個をポチ袋に入れて「皇居のお庭のベンチでどうぞ」。

あっという間の出会いの時間。もう、お会いできる機会もないであろう方に、抹茶をお
出しできなかったことは少々悔いるが、お二人との時間は、当店の抹茶以上に爽やか
な余韻の残る楽しい時間であった。
  1. 2015/02/27(金) 10:13:32|
  2. 店主の日記

配送業務お休みのお知らせ

都合により通信販売の発送を数日お休みします。
ご迷惑をお掛け致しますがご了承のほど宜しくお願い申し上げます。

店主
  1. 2015/01/10(土) 19:16:21|
  2. 店主の日記
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季節の食べ物

届いたみかん
同梱したみかんは、近所に住む友人が作っているみかんです。
無農薬で甘いですよ。”
ハーブの作り手、うみ風ハーブ園の尚美さんは時々、メッセージを添えて、
手作りの切干大根だのを、ハーブと一緒に届けてくれる。このみかん、
本当に美味しかった。

毎年暮れに、千葉に住む親戚が、自前の米で搗いたお餅と地元産の青のり
を届けてくれる。我が故郷の青のりが一番、と毎年その青のりに目を細め、
父は正月の7日まで毎朝お雑煮を作り、たっぷりと青のりをかけて食べるよう
に、とうるさい。「青のりが貴重品になるなんて、考えもしなかったねぇ。今の
うちかもしれないから、いっぱい食べておけよ」と父の教え。
今年はこの手土産に “竹の子”が加わっていた。まだ、土から顔を出さない
小さな “竹の子” を、当たりをつけて掘り出してくれたそうな。「縁起担いだ
初物から力もらって、元気にやってよ。」・・・思いやりとはこう言うことか。
“わかめ”と炊き合わせ、家族で早春の香りを美味しく頂戴した。

10年後、千葉産の青のり、鳴門産のわかめはどうなっているだろう。
20年後、日本の旬を、どれほど楽しめるだろう。
  1. 2015/01/04(日) 11:59:20|
  2. 店主の日記

お目出度いお正月

不老門
       明けまして おめでとうございます

 本年もご愛顧の程 どうぞよろしくお願い申し上げます

商売を営む我が家は暮れもお正月もなんだか慌ただしいが、それでも
お正月三が日は、ただの休日としてではなく、祝日のお目出度い“ハレ”の日
として過ごしたい。
“ハレ”の日を、何かに感謝して <明るく過ごす> という暮らしぶりに惹かれる。
“ハレ”も“ケ”もないというのは、なんとなく無粋でつまらなく思う。

今年の元旦には、“不老門”という上生菓子を用意した。鶴、亀、松、竹、梅を
あらわした五色の餡を重ねて巻いた祝い菓子。鶴と亀と言えば“長寿”となるが、
お正月には能楽の“鶴亀”を思わされ、天下泰平への祈りを思う。
この想像させられる、というのが和菓子の面白さの一つ。四角い台に、鶴と亀と
松竹梅の絵がそのまま描かれたお菓子であったらそれでまでだが、上記の写真
のように、お目出度さを重ね、更に円という形で “和”を 思わせ、お目出度さが
途切れることがないことを思わせる、この美しさ。心惹かれるばかりである。
もちろん和菓子だけではない、余白の美。直接言い切らないで相手に思わせる、
というのが日本の美意識にあったと思うが、それをまた、遊び心に使っていた、
以前の日本人の感性は洒落ている。お寿司の、特上、上、並を、松、竹、梅、
としたセンスも面白い。
今の時代にあるか。

お正月に長いブログは無粋か。
ではどうぞ、あと2日はいつもより洒落た浮かれ気分でお過ごし下さい。
  1. 2015/01/02(金) 02:47:15|
  2. 店主の日記

子供に一生忘れることのない思い出を

アメリカの田園で、慎ましいけれど、自然に彩られた豊かな自給自足の暮らしの中で
作品が生まれた、ターシャ・チューダーの絵本の中に、
 “ベッキーのたんじょうび”という本があります。
この本はターシャー家の実話、とあります。

夏の日の、朝の光が、へやにさしこんできたところから、この物語は始まります。
主人公の少女のベッキーは10歳の誕生日を迎えます。
そしてこの一日、ベッキーは、鳥がさえずる田園の中で、家族や友人たちと楽しい楽しい
お誕生日の日を過ごすお話です。

絵本の訳者の内藤里永子さんのあとがきに、
「子どもには、一生忘れられないだろう思い出をあげることです」
ターシャ・チューダーの子育ての極意、その1つです。
・・・という一文があります。
この言葉に、私は大きく頷きました。
この絵本はおすすめです。

今年も、身近なところで、世界中で色々な事が起りました。
中でも、子供に関する悲しい事件が多くありました。

来年が子供たちが子供らしく過ごせる、もっとよい年になりますように、祈る思いです。

当店は来年もかわらず、暮らしの中で、団らんが生まれるようなお茶をご紹介して参ります。
どうぞよろしくお願い致します。
皆様も、どうぞよいお年をお迎え下さい。
                                           2014年 末日
  1. 2014/12/31(水) 12:55:24|
  2. 店主の日記
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せいすいさりょう

Author:せいすいさりょう


清水茶寮(せいすいさりょう)では、
無農薬・無肥料の、昔ながらの製法のお茶をはじめ、品種のもつ個性を活かして作られた煎茶、挽きたての抹茶、有機農法(バイオダイナミック農法)によるハーブなどをご用意して、日本のお茶の美味しさをご紹介しております。
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