
週末、家族が誕生日を祝ってくれた。店のエントランスには茅の輪が設われ、食事の最後の菓子には「水無月」が運ばれてきた。誕生日のお祝ではあったが、思いかけず「夏越しの祓い」も出来たようで、その「思いがけず・・」に上機嫌。お酒にお茶に食事と楽しんだ。そのお礼に翌日、21年前に静岡の小柳さん(お父様)が作られた<香蘭>というお茶を家族に振舞った。1999年仕上げの半発酵のお茶<香蘭>は気に入っていて、最後の袋を何度も一回分出しては閉め、を繰り返している為、かなり空気に触れている。毎度その劣化の程度を心配しつつ淹れるが、期待が外されることなく今日まできた。久しぶりの今回は果たしてどうか。99年の文字を見て、期待しつつもさすがにね、という気持ちもわく。けれどやっぱり、力のある美味しいお茶は、年月が経っても美味しかった。20年経っても、甘い余韻が広がるお茶。感動するような思いだが、振舞った家族といえば、お茶にはさして興味がないので、「どう?」と聞いても、「えっ?別に。ふつーに美味しけど。」とくる。「1999年のお茶が、ふつーに美味しいって、すごいって感動しない?・・・。」
淹れるのじゃなかった、という気持ちが首をもたげるが、淹れる機会をもらったのだからやはり感謝か。
今年、<香蘭>と同じ品種で作った緑茶の<玉蘭>を販売しています。このお茶はここ数年、残念ながらご紹介出来なかったので、ようやくの思いです。<香蘭>と<玉蘭>というお茶は、<印雑一三一>という品種から作られるお茶で、<藤かおり>とは違った甘い花の香りのあるお茶です。まだ若い感じの香りが強くありますが、それもまた、今の時期ならではのお楽しみとして、おすすめしています。
- 2020/06/23(火) 00:30:25|
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