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日本茶の店 清水茶寮からのお便り

店主の徒然日記、ハーブ園から、森林から便りが届きます・・・

山からのたより その10 ~養沢の山に棲むケモノたち~

山からのたより その10 ~養沢の山に棲むケモノたち~
        
                                      池谷キワ子

今年(2012年)の秋は足早です。そのせいか木々は色合いよく衣を変えました。
日ごとに紅葉ラインが麓に降りてきています。
そして、あの暑かったことが思いだせないほど、木枯らしも吹き出し、
早朝は、屋根が霜でまっ白になるこのごろです。

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                   (養沢集落の入り口 2012/11/13) 

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          (五日市 広徳寺の銀杏2012/11/13)
                

大昔、この辺の山は動物たちの独壇場だったのでしょう。
次第に人が住みだし罠や鉄砲で捕獲して食糧や毛皮に利用するようになると、
ほとんどが安全な山奥に姿をひそめていきました。
クマ、シカ、カモシカ、サル、野ウサギ、テン、イノシシ、狐、タヌキ、アナグマ、リスなどです。
ところが昨今、林業が衰退して林内に人が入らなくなると、彼らはまたぞろぞろ里におりてきているのです。
人口も減り、子供の声も聞かれない集落に、動物は安心して近づきはじめました。
とくにイノシシは畑の作物を我が物顔に食い散らかし、丹精込めた畑を荒らします。
クマは今年のように木の実が不作な年は、人家近くにやってきて、
人に危害をくわえたなどニュースになっていますね。 

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    ( 「クマ棚」といってクマの休み場所。          (バス停にクマ注意の立て札が)
  まんなかの枯れ枝がためてあるところ) 


養沢のなかほど、神谷バス停付近では、すぐ道脇の川向う、写真の棚にツキノワグマが座って、
「かわいい顔でこちらをみていた。つい手を振ってしまった」と目撃者の談です。
数日まえ(2012/11/20ごろ)には親子のツキノワグマが
養沢の入り口付近の街道を歩いていたとか。 
東京・奥多摩町の多摩川左岸ではかなり以前からシカが大量に出没し、植えたばかりのスギ、ヒノキを
全滅させるので、林業者は途方に暮れています。
生息エリアもひろがり、近ごろは養沢にも来ていて、 わたしの山林の太い木が、皮を剥ぎとられたりしました。
行政も調査捕獲に精出しているのですが、 なかなか減少のニュースは聞こえてきません。


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(畑と山の境にはイノシシを防ぐ電気柵が張られている)
わが家のすぐ裏山に140年生のスギ・ヒノキの混交林がすこしあります。
その根元は、さまざまな雑木が2メートルばかりの
丈で生い茂っています。 そこにはトンネル状に「けもの道」ができているのです。 タヌキ、キツネ、アナグマ、ハクビシンといった人里近くに住む小型の獣が行き交う道です。
先日、沢周辺をみんなで大刈り(林内清掃)をしていて、若いキツネの頭蓋骨を拾いました。
これらほとんどの生き物は日暮れてからが活動時間帯で、わたしたちはなかなか出逢えないのです。 このごろやたらに増えてきたイノシシはとても臆病で、人前にはほとんど姿を見せません。


 
ここの25メートル以上の高さでそびえる木々も、何本かは枯れる寸前となっていて、
そこにムササビが団地を造成しています。
ムササビはまったくの夜行性ですから、私たちは「ばんどり」(晩鳥)とも呼んでいて、
日暮れてから辛抱強くウオッチしないと 見かけられません。
が、昼間に私が幹をたたいたら、驚いて飛び出し飛行をみせてくれました。
哺乳類なのに、コウモリは空を飛びますし、
ムササビは前後足の間にあるケープ状の飛膜を広げて滑空するのです。 

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(まんなかの木に3つムササビ団地)
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(写真 篠木真『ムササビ』)
 









 

動物と人間は長い年月、互いにせめぎ合いながら山の恵みを貰って生きてきました。
彼らは種の保存のためにも必死で生き抜きます。
たくさんの種類の生き物が住んでいる山は理想的、生物多様性です。
でも頭数が増えすぎたりすると、山里で人が住むのは容易ではなくなります。
動物保護もバランス感覚が必要。集落が消えてしまうと、さらに森林の保全は難しくなってしまいます。


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       (秋川から望む馬頭刈山<ばづかりさん>と大岳山<おおだけさん>(右)。
       養沢集落の母なる山々です。 2012/10/19)

  1. 2012/11/27(火) 11:45:12|
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