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日本茶の店 清水茶寮からのお便り

店主の徒然日記、ハーブ園から、森林から便りが届きます・・・

7年前の茶の香り

昔の香蘭
思うことがあり、今月のお茶の集いでは、小柳さんのお茶ばかり数種類、楽しんで頂いている。
すでに引退されてしまった父上の三義さんの作ったお茶もぜひ飲んで頂きたいと、<香蘭>という、
少し発酵させたお茶を選び、用意をした。

すでに作られてから、7年か…8年か…そのくらいの年月が経ってしまったが、自然と目が閉じて
ゆっくりと深く香りを吸い込んでしまう、熟した果実のような甘い香気はかわることなく、爽やかな
余韻を生む渋味と甘さのバランスにも、久しぶりに三義さんのお茶を飲んで、そのすごさに、私が
頷かされてしまった。

三義さんが作られてこられた、甘い華やかさをもつこうしたお茶が、業界の中で、日本茶として、どの
ような評価をされてきたのかは知らないのだが、数年経っても、飲み応えもそのままに、幾煎も味わう
ことが出来るようなお茶が、日本でも作ることができるのだと、私に教えて下った、その当時の跳ねた
くなるような嬉しい気持ちを今も新鮮に持ち続け、後継者の勉さんにエールを送っている。

今、このブログを打ちながらも、残り少なくなった数年前の<香蘭>を飲んでいるが、なんとも、なんとも、
美味しい。幾年経っても美味しく飲めるお茶、お茶はやっぱりこうでなくては、と、明日の稽古の準備も
まだまだこれからというのに、なんとなく、満たされた気分になってしまっている。

これはお茶酔いか…。



  1. 2013/03/30(土) 23:17:30|
  2. 店主の日記
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春の生菓子選び

生菓子の見本帳
3月のお茶の集いは、“雛の節供の月”に相応しい内容で用意をしています。

今日は予ねてから開いてみたかった、子供たちと一緒に、お菓子職人さんに指導して頂いて、
生菓子を自ら作って、お茶と一緒に楽しもう、という会で作るお菓子選びに数時間、職人さんと
本をひたすらめくりながら、3種類選び出しました。
和菓子の見本(春版)

上記のように“桜”を題としたお菓子一つにしても、何頁にもわたって様々に表現された“桜”の
お菓子が載っているので、本を見続けていても飽きることがありません。
生菓子は本当にどれもが清楚で美しい。
そして、そのものずばりの形、という表現ではなくて、なるほど、これをそう想像させるか、という、
表現方法に脱帽です。

数時間かけてようやく、これなら子供にも作りやすくて、「きれいだね」って喜んでもらえるであろう
お菓子を選びぬいて、私は満足して、終わった、終わった気分でおりましたら、職人さんは絵を描き始め、
「んじゃ、これをこうして、こんな感じでいくかね。」と図柄と素材と色を書いた絵図を見せてくれました。

すっかり、見本どおりに作ると思っていた私は、職人さんのこだわりにさらに満足。
当日は本人の責任においてですが、きれいな生菓子が作れる予定です。

ご参加下さる皆様は、どうぞ楽しみにしていて下さいませ。



  1. 2013/03/07(木) 23:38:26|
  2. 店主の日記

電車の中で春一番

梅
昨日の日中、渋谷駅。
「日中でも電車に乗る人多いな。乗れるかな。」と思いつつ、押されるように山手線に乗り込んだ。
…いや、乗り込む寸前に赤ちゃんの泣き声が耳に飛び込んだ。
入り口側の椅子に座っていた若いお母さんが、もう、仕方がない、といった顔で、火がついたように
泣き叫ぶ赤ちゃんを抱き上げて、席を立とうとしてるところだった。
どのくらい前から赤ちゃんが泣き続けているのか、お母さんの周りは「もう、いい加減にしてくれ。」と
いった冷たい雰囲気が囲んでいた。確かに、身悶える赤ちゃんの姿も泣き声もすごかった。が、どう
見ても、赤ちゃんは寝たいけど寝れない状況に自分自身困っている様子で、こればかりは、どうにも
ならないのじゃないかと、母親をやったことがない私はどうしたらよいか困ってしまった。

席を立ち、私の横に立ったお母さんは、とてもお洒落をしていた。
「ママもいっぱいお洒落をしたいよね。でも、この2つも3つも抱えなくちゃいけない大荷物と、赤ちゃん
泣いて大変だな。この居たたまれない雰囲気は辛いだろうな。この大きな荷物を2つお持ちしようかな。
でも、今声かけると抱く体勢が崩れて、かえって赤ちゃんが泣いちゃうかしら…。それでも、お持ちした方
がいいのかしら…。」

とかなんとか、ぐちゃぐちゃと考えていると、高校一年生くらいの、まだ半分子供顔で、私と同じように、
どうしたらよいか分らずに、私とは反対側のお母さんの横に立っていた少年が、突然、赤ちゃんの頭を撫で
始め、「赤ちゃんどうしたんですか?」と聞いた。

「ネムタイだけなのよ。」と言いつつも、キツイ顔つきだったお母さんの顔が瞬間に弛み、周囲の冷たい視線
の中、藁にでもすがったような思いだったことがよく分かった。と同時に、「声をかければよかったのか!」
とその少年に教わった。
少年の行為は周囲の雰囲気も一変させ、心優しいその少年に微笑む雰囲気が生まれた。

また、そこに、ちょっと遠くから「どうしたのかなぁ?どうしたのかなぁ?」と言いながら、人ごみを
掻き分け、掻き分け、ようやくたどり着いた、という感じで、見た目ちょっとひょうきんそうなおじいさんが
お母さんの前に現れた。
「ネムタイだけなんです…。」
「そっかぁ。よかった。眠たいのか。そっかぁ。いい子だ。いい子だ。」

眠りたいのに眠れない赤ちゃんは、少年の終わらない撫で撫でに、身をそらして泣きながら嫌がっているし、
見知らぬ大人の大きな男の顔が近づいては、「いい子だね、いい子だね」、と言われ、一瞬、ピタリと泣き
止み、私も「オッ!スゴイ!」と思ったが、驚いただけでだったのか、すぐに大泣きに変わってしまった。

が、隣の恵比寿駅に着いた際、冷たい雰囲気をつくっていたであろう、数人の大人たちが「いい子、いい子。」
と言いながら、赤ちゃんの頭を撫でて下車していった。

私は、この行為にまで周囲を動かした少年の頭を撫でてあげたくなった。
赤ちゃんは次の駅で私が下車するまで泣き続けていたが、きっと、ささくれ立ったような気持ちから救われて、
嬉しい気持ちになったお母さんの愛情を感じ取って、この日は赤ちゃん安心してぐっすり寝ることだろうな、
などと想像しながら、私も少年から春一番をもらった気持ちになった。

「子育て支援」という言葉はよく聞こえてくるが、こうした日常の行為も大事と、あらためて思わされた。
少年は本当に優しかった。

林業家の池谷さんからは、春の音が聞こえ始めている<山からの便り その11>が届きました。
こちらもどうぞお読み下さい。



  1. 2013/03/02(土) 00:06:19|
  2. 店主の日記
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せいすいさりょう

Author:せいすいさりょう


清水茶寮(せいすいさりょう)では、
無農薬・無肥料の、昔ながらの製法のお茶をはじめ、品種のもつ個性を活かして作られた煎茶、挽きたての抹茶、有機農法(バイオダイナミック農法)によるハーブなどをご用意して、日本のお茶の美味しさをご紹介しております。
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