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日本茶の店 清水茶寮からのお便り

店主の徒然日記、ハーブ園から、森林から便りが届きます・・・

清風に吹かれて

年月が経った自然茶

今日はホーローのポットで湯を沸かそう。仕上がってから15年程経つ、九州の在来種の自然茶を見ながら、湯を沸かすポットを選んだ。水によってお茶の味は変るが、沸かす道具でも変わってしまう。沸かしたお湯と茶葉の相性が良ければ目出度し、悪ければお茶が美味しくなかった、になってしまうから、お茶は分が悪い。そろそろ確定申告の準備を始めないと、と思いつつ、スタートが出来ない。始め4分集中すれば後はなんとか進んでいくのだろうが、その4分にのれない。15年程度経った日本茶、中国茶、韓国の緑茶と雑多に入った茶箱をご褒美にと持ち込んだが、先に開けて中を見てしまったから、とりあえず飲んでみよう、となってしまった。急須の底がしっかり隠れる程に茶葉を入れ、沸かした湯を茶葉がひたる程度わずかに、注意深く注いで、ほんのしばらく待つ。待つ時間は1分にも満たないが、その間、この世界の誕生から、目の前の茶葉が私の手元に届くまでの壮大な時間を思う。そんな想像に心躍る。抽出したお茶のエッセンスは、茶杯一杯で春というよりは夏に近い草木の香りが喉から戻り帰り、山の自然に帰ったような気分にさせてくれる。存分に満足。十分余韻に浸れそうだが、欲が出て立て続けに2杯、3杯。心身ともに爽やかになり、今日の春の陽気がまた一層心地よい。今日は一日このお茶で楽しめそうだ。確定申告は、明日からにしよう。
  1. 2021/02/21(日) 13:48:51|
  2. 店主の日記

寒の時期の手作り

手作りの干し芋

2月の第一日曜日。母はいつもより早い時間に身仕度を整え始め、私が食卓に座る頃には妹がパンを焼き上げていた。ガスコンロには、味噌作りの為に大豆が既に煮始められていた。‟今日は味噌づくり”という日に、なぜわざわざ手間をかけて、妹はパンを焼いたのであろうかと考えながら、私は茶道のお稽古に向かった。 ‟あー!発酵かぁ!” 共通点を思いつき、思わず大きく頷いてしまった私は、お稽古中に、数人から首をかしげながらの視線をあびた。

翌日に、いろんな柑橘類がたまって食べきれなくて、と艶々と煮詰められたジャムを頂いた。アクがほどよく抜け、その程良さに、手慣れた感と、惜しまない手間ひまの時間が感じ取れ、一層美味しい。
柑橘類のジャム
お料理好きのおば様は、一人暮らしになってからは、灯油のストーブは危ないからと、息子さんが心配して電気ストーブに交換したけれど、‟こっそり元のストーブに戻しちゃった。だって便利だもの。”と時々そのストーブで時間をかけて転がしながら作る焼き芋を持って来て下さる。安心して皮まで食べられる、さいこーに美味しいおやつ。数日経って干し芋が出来た、とこれもお裾分け下さった。‟これはお日様の日のお陰。” と嬉しそう。

知人から、おねだりした干し柿が再び届いた。
自家製干し柿
干し柿も、いくらでもスーパーで買えるけれど、自家製の干し柿はなんとなく一層美味しい。阿蘇の農園の焙じ茶のよきお茶請けだが、父がひとり楽しそうに干し柿を作っていた姿を思い出してしまうことも、私としては嬉しい。
親戚から、両手にのるほどの、土のついた小さな蕗の薹が届いた。早春の匂いだ。今日は私が蕗味噌を作ろう。
  1. 2021/02/20(土) 15:49:40|
  2. 店主の日記

縁嬉菓子からの呼びかけ

百年羊羹

昨年は夏以降、羊羹をいくつか頂いた。夏の頃は京都のあんこ屋「都松庵」さんと共同で作られたブルーボトルコーヒーの羊羹。デザインはもちろんだが、フルーツやクルミが入った小形羊羹は夏のお土産にもよく、私としては、2種類の味のうち-MATCH- 抹茶味が紅茶によく合うという点で、その後購入しては、当店の<べにふうき(紅茶)>を添えて、知人に送ったりした。
ブルーボトルの羊羹

秋には、「とらや」さんのパリ40周年を記念に「ピエール・エルメ・パリ」と共同で作られた「イスパハン」を頂いた。
小形羊羹 イスパハン
最初に甘酸っぱいフランボワーズがほのかに香り 、 そのうちに華やいだライチの風味が口に広がり、最後に上品なバラの香りが立ちのぼる、という説明に、味の想像が追いつかなかったが、実際食べてみればその通りで、それでいて渾然一体。これだけインパクトがありながら、余韻はあるが、後味が口に残らず、合わないだろうな、と思っていた煎茶さえ美味しく飲めた。さすが、と驚嘆。また、同じくとらやさんの、「昼下がりのカフェ」、という素敵な名のカカオ珈琲羊羹を頂いた。これもお洒落なデザインで、一緒に食べた仲間達は「美味しい」を連呼していた。

冬になり、熱海に店を構える「ときわぎ」さんの「百年羊羹」をお土産に頂いた。丁度先日ブログに書いた「光射ス森」の公演日が近づき、100年先の子孫の為に木を植える行為について思いを馳せていた時期だったので、 ‟百年”という文字に目が留まった。初めて知ったが、創業から100年を越える、家族経営で守り続けている老舗だ。創業当時から甘さを控えた伝統の製法と味を守り続けているその羊羹は、砂糖が控えめ、真空包装でもなく、保存料も使っていない為、日持ちがしない。パッケージの「縁嬉菓子」という文字が笑をもたらす。数種類どれも美味しかったが、地場の特産品を使った柑橘類の入った羊羹は、コンセプトが私好みだ。美味しく仲間と頂いたのが12月。

年が明け、私が興味ありそうだと、友人からメールが届いた。面白いことに、知り得たばかりの「ときわぎ」さんのFacebookからの転写だった。コロナの影響で観光地に人が集まらず、お菓子の材料の段階で、廃棄しなくてはならない状況に、支援を呼びかける丁寧なメッセージであった。緊急事態宣言下、特別商品「本家ときわぎ 縁嬉菓子セット・あうん」をご用意された。、商品代金、税金、送料、代引き手数料合計で5000円。100年の歳月を守り続けたご苦労は測りしませが、つぎにつなぐ為の今を支えることに心寄せられた方は、こちらの「ときわぎ」さんのHPでご確認下さい(http://www.tokiwagi.co.jp/index.html)。かなりお得なセットです。お茶屋をしては、是非、お茶をご用意の上、お茶請けの羊羹もご用意頂ければ有難いと願うところです。
  1. 2021/01/16(土) 19:45:06|
  2. 店主の日記

光射ス森を観て

光射ス森

「光射ス森」の観劇の後、30年以上も前、材木問屋の方に連れられて見に行った秋田杉林。粛々とした美しい光景に、息がとまる思いだったことを思い出しました。

「今の日本の林業が抱えている現状が大変過ぎて、本当にほんの一部しか切り取れないですけど、よい作品にしないと・・。」演劇集団「円」の演出家の内藤さんは、訪れた育林家の池谷さん所有の山の帰り道に、呟かれた。当HPに「山からの便り」として寄稿下さる池谷さんはじめ、林業に関わる方々を取材され、演劇「光射ス森」が出来上がった。春の上演予定がコロナの影響で延期となったが、劇団の方々の努力により、12月19日(土)〜27日(日)までシアターXで上演に至りました。(http://www.theaterx.jp/)

次の世代か、あるいは三世代先にようやく伐採時期となる木の苗を植え、それを何十年もかけて丹精込めて育て上げた木を、日本人は暮らしの中で楽しみ、大事にしてきました。その片鱗を、昔の煎茶道具の中でも感じることがあります。自国の木を愛する暮らしぶりは変りましたが、海に囲まれ、まだ豊かな森林に覆われた国であります。内も外も自然に恵まれた国が地球上に、どれ程あるのか分かりませんが、豊かな森林をもつ国は、その緑を守り伝える責任があるように思えます。多くの方が直接林業に携わることはありませんが、日本の森林の現状、林業が抱える問題等を知ることも大切だと思っています。そのきっかけになってくれるような作品です。コロナ渦中で、劇場へのご案内が出来ずにおりましたが、劇場内は徹底した対策をとっていらっしゃいました。森林への興味の一歩となる「光射ス森」、ご案内申し上げます。

「山からの便り」の著者所有の山中
  1. 2020/12/22(火) 20:12:00|
  2. 店主の日記

満月に届く秋の収穫物

庭の木の栗
10月1日は中秋の名月。今宵の満月は、2020年で一番小さく見える満月とか。
今、月と地球と太陽が一直線なのか、と想像を広げて満月を見る。1日の日より随分と寒くなった。
月見の日の10月1日、親戚から庭の栗やら、まだ小さな里芋やら新米等が届き、粋な計らいに、有難くも、
そうしたことが出来ることに、羨ましい思いも混じる。それにしても、今年初の栗ご飯は美味しかった。
10月の枝豆

今宵の満月に合わせて、ではないだろうが、枝豆、里芋、ゆず、柿、みかん等が届いた。10月もまだ枝豆が
出来るのかと感心しながら、早速塩茹で。10月の枝豆の味を楽しむ。里芋は以前より随分と大きく育っいる。
柚子はまだ全体が青いが、熟し始めたか、ところどころ皮が黄色い。市販と違って傷も多い柿だが、たくさん
届いた柿から、親戚の故郷の夜の温度が下がり始めたことに想いが馳せ、心は温まる。みかんは武骨で皮
も厚いが、昔ながらの素朴な味わい。…これにはやっぱりこたつだな、と昭和生まれの私は思う…。

うみ風ハーブ園から先日<バジルペースト>が届いた。台風後の初入荷。青々とした美しいペーストには、満ち潮の海水で
作られた塩が使われています。他、台風後に回復を始めた、ハーブが少しずつ入荷を始め、これから続きます。
天象に従ったバイオダイナミック農法を軸に、朝に夕にと忙しく仕事を進める作業を思いつつ、ただ今
<ホーリーバジル>を飲みながら体を温めつつ、これを書いています。今年の<ホーリーバジル>もとても
香りよく、飲みやすく、美味しく仕上がりました。評判も上々。入荷待ちのお客様分で第一弾は終了となりましたが、
来週末また再入荷の予定ですので、どうぞ楽しみにお待ち下さい。


  1. 2020/10/31(土) 20:22:07|
  2. 店主の日記

21年前の小柳さんの煎茶

エントランスに設えた茅の輪
週末、家族が誕生日を祝ってくれた。店のエントランスには茅の輪が設われ、食事の最後の菓子には「水無月」が運ばれてきた。誕生日のお祝ではあったが、思いかけず「夏越しの祓い」も出来たようで、その「思いがけず・・」に上機嫌。お酒にお茶に食事と楽しんだ。そのお礼に翌日、21年前に静岡の小柳さん(お父様)が作られた<香蘭>というお茶を家族に振舞った。1999年仕上げの半発酵のお茶<香蘭>は気に入っていて、最後の袋を何度も一回分出しては閉め、を繰り返している為、かなり空気に触れている。毎度その劣化の程度を心配しつつ淹れるが、期待が外されることなく今日まできた。久しぶりの今回は果たしてどうか。99年の文字を見て、期待しつつもさすがにね、という気持ちもわく。けれどやっぱり、力のある美味しいお茶は、年月が経っても美味しかった。20年経っても、甘い余韻が広がるお茶。感動するような思いだが、振舞った家族といえば、お茶にはさして興味がないので、「どう?」と聞いても、「えっ?別に。ふつーに美味しけど。」とくる。「1999年のお茶が、ふつーに美味しいって、すごいって感動しない?・・・。」
淹れるのじゃなかった、という気持ちが首をもたげるが、淹れる機会をもらったのだからやはり感謝か。

今年、<香蘭>と同じ品種で作った緑茶の<玉蘭>を販売しています。このお茶はここ数年、残念ながらご紹介出来なかったので、ようやくの思いです。<香蘭>と<玉蘭>というお茶は、<印雑一三一>という品種から作られるお茶で、<藤かおり>とは違った甘い花の香りのあるお茶です。まだ若い感じの香りが強くありますが、それもまた、今の時期ならではのお楽しみとして、おすすめしています。
  1. 2020/06/23(火) 00:30:25|
  2. 店主の日記

お茶の余韻

三重の手作りのお茶
山と畑と田んぼの緑に覆われた三重県の大台町栗谷というところから、郷土愛たっぷりのSさんから、自家用
に作られたお裾分けのお茶が届いた。とても真似出来ない程大事に、手間暇惜しまず自家用の茶畑を管理さ
れるけれど、仕上げたお茶のほとんどは皆配ってしまう。気前の良さに有り難く、毎年、この土地ならではの
お茶を楽しませて頂いている。
山に覆われたこの土地のお茶は、Sさんの茶畑ではないが、当HPでも<栗谷煎茶>として販売させて頂いて
いた。が、事情により今年生産終了。地元の方が、ここは桃源郷のよう、とおっしゃったそのすぐ近くの畑から
作られるお茶が、思いがけず、もう、飲めなくなってしまった。
ご予約頂いてお客様には、本当に申し訳ありませんでした。
このお茶屋を始めてから、いくつも生産終了になってしまったお茶がある。お茶が仕上がった春には、来年は
もっとこうして・・・と話しが弾むが、思いがけなく生産終了のお知らせがくる。記憶にだけ残るお茶が増えていく。

同じ三重の大台町から届いた小切畑のお茶が今年とても美味しいです。
<在来種煎茶>はふくよかで、しみじみとした余韻が長く続き、<やぶきた煎茶>は作り手さんが目指す、くど
さのない、すっきりとした美味しさが楽しめます。今年のお茶の余韻、どうぞお試し下さい。
  1. 2020/06/14(日) 16:08:07|
  2. 店主の日記

初夏に向かって

ベランダのプチトマト

過日、親戚からタケノコが届く季節・・・と書いたが、その後は空豆、トマトと続く季節となった。空豆は届き始めの頃は大層な殻を身にまとっているが、剝き甲斐がない程小さな青豆で、今年は不作か?と思わされたが、それも届く度に美しい鶯色の、立派な豆が現れるようになった。空豆は焼いて塩をふって食べるのがなによりと思うが、大量に届くようになれば茹でて、料理の材料に使ってと、多いに食べて今年も空豆の季節は終わった。例年通り、ということに安堵した一時。

届く季節にトマトが加わり、気持ちが初夏へと向かう。とはいえ、トマトは4月が濃厚で美味しい。お気に入りの食パンを焼くその隣りに、輪切りにしたトマトを銀紙にのせて一緒に焼く。トーストに焼いたトマトをのせて、お気に入りの塩をふり、オリーブオイルをかけるだけのこの時期のご馳走。新しく見つけたギリシャのオリーブオイルが気に入り、大いに満喫した。珈琲も好きだが、その後でも最後はミント茶が爽やかでよいと感じる。ギュッとうまみが詰まったトマトにミント、体の中から元気になる。
残念ながらそんな時期も過ぎてしまい、すでに店頭に並ぶトマトは水っぽさを感じるようになった。旬は速足。これからの日射しの強くなる季節は、美味しさよりも、トマトのリコピンの作用を頂くつもりで、フライパンを出し、オリーブオイルでトマト焼いてのせるがおすすめ。熟したトマトは小麦粉を叩いてから焼くとよい。リコピンは油で焼くとその効果が大きくなるとなにかで知った。
そしてぜひ、先日ご紹介したミネラル豊富な<野生の詩>を、朝の一杯に加えてみて下さい。カップにわずかの茶葉と熱湯を少し入れて、ほんのしばらく置いておくだけ。お茶の力は、体の元気の源になってくれます。
  1. 2020/05/24(日) 13:00:21|
  2. 店主の日記

ブレンド茶 「野生の詩」 紹介始めました

マグカップに注いだ野生の詩

普段は使うことのないほの暗い台所に、窓からの光が差し込み、その陰影の美しさにしばらく見入ってしまった。
全体が朦朧としたその台所で、先日販売を始めた「野生の詩」と名をつけた山茶と熱湯をマグカップに注ぐ。
茶葉が沈むまで、しばらくの時間。釜で炒り上げた茶葉の、香ばしにおいが立ち上り、少し湿った静かな台所に静けさがましていく。
このお茶は、茶摘から仕上げまですべて手作業で作られたお茶を合わせたもの。無農薬、無肥料で自然のままに育ったと書いてはいるが、茶樹が元気に育つ為に、一年を通して樹を守る作業は手間暇がかかる。そんな作業の苦労は一年を通して体験してみないと分からないけれど、ブレンドしたこのお茶は、急須できっちり入れなくとも、自然茶のもつ滋味が味わえる。
たくさん、しっかり飲もう、と思わず、ほんの二つまみの茶葉と三口程度の少しの熱湯を大きめのカップに入れるだけ。飲み干した後の吐く息に、疲れも一緒に出てくれる。本来のお茶の効能。手作りのこうしたお茶は、あと、どれだけの時間飲み継いでいかれるか、欲張ってついついそんなことを考えてしまう。人の手による自然茶、求める方ぜひ、お試し下さい。
  1. 2020/05/18(月) 11:34:31|
  2. 店主の日記

雨の日にハブ茶を

煮出すハブ茶

雨の日の今日は、少し多めにハブ茶を煮出す。
飲み切れない分は冷蔵庫へ。晴天予報の明日のための冷たい飲み物として。
そんなことが、明日のちょっとした余裕につながる。
  1. 2020/05/16(土) 13:44:18|
  2. 店主の日記

出版された山からのたより

出版された山からのたより
当ホームページに「山からのたより」を書き届けて下さる池谷キワ子さんの、今まで様々なところに書き上げてこられた文章が、一冊の本にまとまり、嬉しい思いでいます。

本になった「山からのたより」のはじめの言葉の一部ですが、「山は居心地のいい空間です。もし山を砕石などで削り崩してしまったら、そこへいくら土を積み上げても再生出来ません。地下水脈をもち、湧き出る清水がミネラルや鉄分を流し出していく山の姿は、人間には再建しえないものです。ほとんどが木をまとっている日本の山では、さらに緑のダムとなります。森林の環境的によい状態にしていくためには継続した人の手が必要ですし、そのためにも林業が存続するしかないのだろ私は思っています。」と記述されています。今の自然環境に至る歴史的な時間の再生は不可能であることを、今ある自然の恩恵を改めて思わされます。

残念ながら一般販売はしていないた為、皆様にはぜひもう一度、HPの「山からのたより」をお読み返しいただけたらと、ご案内致します。
  1. 2020/04/19(日) 15:48:02|
  2. 店主の日記

タケノコの盛りの季節

クレソンと菜の花
新型コロナウィルスの影響で、食料輸入に影響はないのかと思っていた4月のはじめ、親戚から野菜とお米が届いた。野菜の中にはクレソンと菜の花も入っていて、「まだ菜の花が摘めるのか」と感激した。そういえば前週の3月末に、川口に引っ越した友人が、近くの川沿の風景と題して、満開の桜と菜の花の写真を送ってくれたか。

大量のクレソンを、あくが出ないように手で切り分けたが、外出自粛で、なるべく家でおとなしく、と思うと、手間で取られる時間ももったいないな、と思う心が首をもたげず、クレソンの清涼な匂いも加わり、気分がいい。今年の食べおさめになる‟菜の花”のつぼみと、クレソンの茎をごま油で軽く炒めてご飯にこんもりのせ、クレソンの柔らかな葉は白和えに。春の終わりに停滞しつつあった体に、瑞々しさをもたらした。
翌週、タケノコが続いて届き。大鍋を登場させる。しばらくの間、タケノコ便が田舎から続く。有難いことこの上なし。
ここ数週間、度々飲んでいるのは自家製のお茶。原料の茶葉がよければ、ホットプレートで作るお茶だってこんなに美味しく飲めることを知ってほしい、と毎回思いながら満足の一杯を胃に納めている。この春は残念ながら静岡にも三重にも行けず、自家用のお茶づくりも出来ないが、先週から静岡の小柳さんは、早生の品種のお茶づくりを始めた。毎年、新茶の若々しいだけのお茶は少し置いてから・・・、とゆっくりご紹介を始めているが、今年は、若々しいだけの・・のお茶の強い力も飲んで頂きたい気持ちが湧いている。瑞々しい新茶入荷のお知らせ、もうしばらく、楽しみにお待ち下さい。


  1. 2020/04/12(日) 15:07:13|
  2. 店主の日記

2月のお茶会

タルティンのお菓子
許可を頂いてご紹介します。
「20~30分程度のお茶会をしたいのですが、お茶とお菓子を紹介していただけませんでしょうか。
紙コップ使いますが、片付けも含め時間は30分です。ティーバッグだと助かりますが、急須はあります。」
2月の初め、そんなメールが届いた。
ご両親の介護に追われる会社の同僚に、ほんのちょっと一息いれてほしくて・・とのこと。
嬉しく頂いたメール。
さて、どうしよう。

丁度バレンタイン月。楽しくて、可愛いチョコレートが巷にたくさんあふれている。
写真のタルティンのお菓子をご紹介して、10ヵ月経ってようやく飲み頃になってきた「べにふうきの紅茶」の
ティーバッグをお届けすることになった。

他パッケージがとってもかわいいコモナ―カのチョコレート
コモナ―カのチョコレート
も可愛い、ということで、このお菓子には手元にあったスペインのハチミツ入りのカモミールのティーバッグを

マツヤのロシアチョコレートも可愛いとのことだったので
マツヤのロシアチョコレート
このお菓子には、ペルーのお土産の爽やかなハーブのティーバッグを、お茶屋からのエール、
と心ばかり添えてお送りした。

後日、全員が楽しく美味しい時間を過ごせたと、お礼をお伝え下さった。
介護に仕事に家事にと自分の時間が持てないままに過ごす毎日の中で、20~30分の時間を確保することは
さぞ大変なことだったと身に染みて思うところだ。性格にもよると思うけれど、ほんの5分でも、一休みの時間
をつくることに、エネルギーがいったりもする。「ちゃんと自分も休んでね」と他人事に言われても、坂道下るよ
うな急ぎ足を、途中で止めるのは大変なこと。思い切って一休みの時間をつくられた同僚さんにも、そのきっ
かけをタイミングよくつくられた仲間の皆様にも、お茶がお役にたててよかったと感謝しております。

それにしても、年が明けて、ようやく飲み頃となったべにふうきの紅茶。
こういうことが時々あるので、春の仕上がりがあまりよくないな、販売出来ないなと思ったお茶もあなどれません。
<べにふうきの紅茶> 通販でも、販売始めました。
今、おすすめ時です。
  1. 2020/03/07(土) 18:57:04|
  2. 店主の日記

ぼけ防止のネックウォーマー

手編みのネックウォーマー
「これ、お母さんにあげて」。金さんがオニクルミを2個ポケットから出して言った。
「ボケ防止にいいから。私、オニクルミの木の下通った時に、落ちていたら拾っておく。私のお父さんから、
昔、中国人のお爺さん達はボケないようにオニグルミをいつも手の中でかちゃかちゃ回していた、と聞いた。
私もぼけ防止にやってる。色々やってるけどね。」
「色々って?」と聞くと、金さんは嬉しそうに、
「なんでもする。昔韓国も男子厨房入らずだったから、今だに台所仕事はしないけど、それ以外なら編み物
もするし、なんでもするよ。この首のも自分で編んだ。暖かいよ。周りの人にあげるとみんな暖かいと喜ぶ。」
とネックウォーマーを引っ張った。
「しらいさんにもあげようか?私のオリジナル。自分で編み目とか考えて工夫した。」
「えー!いいの?ほんと?ほっしー!!」 。

気軽におねだりをしてから2週間程したある日。
「しらいさんいる?」金さんが訪ねていらした。
「はい、30分前に出来上がったばかり。他にも約束した人がいて遅くなっちゃった。」
暖冬と言えども寒い冬の日に、わざわざ仕上がったばかりのウォーマーを届けてくれたその気持ちもこもり、
そのネックウォーマーの暖かいこと。2月の寒さ、これで助かる。寒がりの、丸まった私の背が伸びた。
  1. 2020/01/30(木) 14:32:25|
  2. 店主の日記

手作りの干し柿

手作りの干し柿
先日、山梨へ引っ越した友人が手作りの干し柿とケーキを手土産にひょっこりやってきた。
大病、手術、続く治療の中、
「私もう、治療も薬も必要ないと思うから、これで止める事にした。」と友人が電話口の向こうで明るく言った。
そして「東京はもう住みにくし、便利でなくていいから、暮らしやすい所を探すことにしたわ。」と続いた。
それから1年以上かけて、山梨の地に終の棲家を決めた。

久しぶりに会った友人は元気そう。
「このケーキはちょっと珍しい小麦で焼いもの。これは初めて作った干し柿。冷蔵庫で少し日を置いてから
食べてみて。渋柿が美味しい干し柿になるって実感なかったけど、今朝食べたけど、いい感じだった。」
大いにお茶を飲み、山梨の暮らしぶりをあれやこれやと楽しそうに話し、
「やっぱり山梨が落ち着くな。」と言い残し、未練なく帰っていった。
「やりたいことは出来るんだから。心を自分で縛らないで行動しなさいよ。」と私の背中を押していった。

そして、もう少し置こうかな、置こうかな・・・と毎日冷蔵庫の干し柿を眺めていたら、すっかり日が経ち、
色も真っ黒になってしまった。

今日初めの一個。
まだほどよく柔らかくて甘かった、手作りの干し柿。
熊本の在来種の釜炒り茶も、静岡の深焙煎茶も、干し柿の甘さによく合うこと。
このお茶を送り、病を乗り越えて、私の背中を押してくれた友人を喜ばせよう。
  1. 2020/01/24(金) 20:20:05|
  2. 店主の日記

96歳のこだわり

冬の富士山
新年あけまして おめでとうございます
本年も ご縁のつながった作り手さんからの美味しいいお茶をご紹介致します
美味しいお茶を飲むことを ひとつの楽しみとしていただけるよう努めてまいります

さて、昨年のお話。暮れにお世話になっている方からお電話が入りました。
聞けば、故郷に住む96歳のお母様に送るお茶が見つからないとのこと。今まで故郷のお茶屋さんからお母様
にお茶を届けてもらっていたけれど、閉店となりそれが出来なくなったので、代わりのお茶を探して送ってみるも、
どれもこれも 「口に合わない」と別なお茶を催促されてしまっているとのこと。
「私も女房もお手上げですわ。で、そうだ!と白井さんに連絡を入れた次第です。」

素晴らしい。口に合うお茶が飲みたい。飲ませんか、と息子に容赦なく注文出来るとは。
日常幾度となく楽しむお茶を、96歳の御年においても大切にされる姿勢。お茶好きとしては、当店のお茶でなくとも、
お母様の飲みなれた味のお茶に近い味のお茶をお届けしたい、と腕まくりする思い。ところがご子息様は、ご嗜好
のお茶がどんなお茶か分からないとのこと。 さてはて。お役に立てれば幸いですが、見つかるでしょうか。

次から次へと新しい商品が登場する毎日の中で、「私はこのお茶と決めているの」、という姿勢がとてもかっこよく、
当店のお茶もお客様にそのように思って頂けるようになりたい、と新年早々の目標となりました。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
  1. 2020/01/04(土) 22:58:04|
  2. 店主の日記

先延ばしにした結果

黒猫
今年も残りわずか。やり残したことはたくさんあるが、この年の瀬になって、一気にやり遂げた。
苦手、苦手な針仕事を。我が家の黒猫ちゃんが、遮光カーテンにじゃれて裾をほつらせ、まぁ、
そのうちに・・そのうにち・・と目をつぶって過ごしていたら年の瀬の大掃除になってしまい、
ここにきて計6枚の遮光カーテンの裾をまつる羽目になってしまった。
来年への戒めには十分な作業になりました。本当にやれやれ。
半日かけて作業が終わった後に飲みたくなったお茶は、三重の緑茶。
自家用に育てたお茶を、毎年身近な人たちへお届けするのを楽しみとされている、そのお裾分
け頂いたお茶だ。今年は茶摘みの予定日の明け方に、霜に当たってしまって残念でならない、
とおっしゃっておられた。確かにそうしたお茶の風味ではあるけれど、いやいやどうして、秋まで
寝かせていたら、余韻が長く続くお茶に仕上がってきた。
しょぼしょぼになった目を閉じて、余韻を楽しみながらお茶を味わうこと十分。たった十分で、
長作業で疲れた気分からリフレッシュ。お茶はこうでなくちゃね、と改めて思わされた。

お茶を飲まれる方にはぜひとも、お好みの、出来れば余韻が長く続くお茶がお手元にあるように、
見つけてほしいと思っています。新しい年が生きやすく、少しでも気持ち楽に暮らせるよう、当店
も、そんなお茶を紹介していきたいと思っています。





  1. 2019/12/30(月) 22:57:18|
  2. 店主の日記

峠の朝

峠の朝

11月は春に仕上げたお茶が、時間をおくことで、新茶ならではの青々しい風味から、
深い味わいを楽しめるようになる、それを喜ばしい月として過ごすお茶の世界があります。
私はもっぱら、5月に仲間たちと作った手作りのお茶で、その変化を楽みます。
この春は、お茶の木の成長を阻むような天候が続きましたが、自然まかせのお茶の木の
強さも知り、秋を迎えその美味しさも手前味噌ですが、上々です。・・・と、
でも、今日は、お菓子の話を。

11月にはまた特別に(毎月ありますけど)楽しみにしているお菓子があります。数年前まで
はなんと言っても「亥の子餅」でしたが、数年前からは鶴屋八幡さんの11月後半に作られる
「峠の朝」という上生菓子になりました。上記の写真のお菓子です。この時期の朝の峠の凛
とした空気が伝わってくる、この美しお菓子に、見た瞬間に一目惚れです。不思議な形を見
ているうちに、これは緩い山か、と思わされた時には膝を叩く思いでした。緑青色の餡は、
生地を通してみると、朝靄のかかった峠の風景を想像させ、中を割ると、美しい青色の餡が、
新鮮で冷たい空気と共に現れ、目覚めるような思いでお菓子を頂くことが出来ます。
質のよい甘さは口に残るほどではありませんが、その後のお茶が美味しくなるような、
お茶が欲しくなるような美味しさです。小切畑の煎茶や阿蘇の農園の緑茶もよいけれど、
爽やかな余韻がある当店の抹茶(清爽)がまた一層美味しく、この時期の楽しみになっています。

そのお菓子も今日で最後。また来年のお楽しみです。明日は、爽やかな12月の朝を迎えたいところです。
  1. 2019/11/30(土) 23:27:53|
  2. 店主の日記

野生化した<藤かおり>

放置していた<藤かおり>1
平成の最後に家で作ったというお茶は、静岡の小柳さんの畑で管理されずに自然まかせに
育っている<藤かおり>を摘んできたもの。3年前の春、小柳さんの畑に行った際に、すっか
り野生化した<藤かおり>の存在を知り、それを仲間が家でお茶に仕上げてみたところ、
<藤かおり>らしい、凛とした花の香りがいつまでも続く晴らしいお茶に仕上がり狂喜した。

放置されたままの<藤かおり>を見て狂喜している私たちを見て、小柳さんは物好きだと笑っ
ていたが、来年よく摘めるようにと、背丈よりずっと高く成長していた<藤かおり>の木を秋に
小さく切っておいてくれた。以来、春の小柳さんの畑には、茶づくりの現場に行く、というより、
野生化した<藤かおり>を摘んで家でお茶づくりを楽しむ事がメインになってしまった。
上記の写真の、手前の葉が、放置されて野生化した<藤かおり>

うっそうとした中でゆっくりと成長している<藤かおり>を見た瞬間、心が躍った
放置していた<藤かおり>2

管理されている<藤かおり>の茶畑はこの風景
管理している<藤かおり>の畑

小柳さんの畑では、印雑131という品種のお茶づくりのスタートは、例年4月の中旬だが、
今年は4月に気温が上がらず茶葉が成長しない為、4月下旬になってしまった。小柳さんが
ぽつりと、「ほんとまいったよ。今年は、葉がぜーんぜん伸びないで。ま、こういう時は、自然
まかせのもんは強えーな。白井さんのお目当ての<藤かおり>はよっく伸びてるよ。」

うしし、とその場ではついほくそ笑んでしまったが、お茶屋としてはやはり、小柳さんに多くの
お客様に美味しいと喜んで頂ける<藤かおり>をたくさん作って頂けるように、と祈る思いです。
  1. 2019/05/12(日) 19:13:39|
  2. 店主の日記

平成最後の日に

野生の藤かおり
平成最後の日、といっても特別な日に過ごすこともなかろうが、それでも私は何をして
過ごしているかな、と過日ぼんやり思うこともあったが、慌ただしく流れるまま日を過ご
していたら、30日は家でお茶作り、という日になった。今日も明日も私には変わらない
日だが、時代のかわり目の日に、私にとっては特別な<藤かおり>というのお茶を、
自宅で、このお茶の生葉を一日触っていられたことが、何となく、可笑しくて嬉しい。

野生の藤かおり 手もみ
これは揉んでいる途中の<藤かおり>の茶葉です
  1. 2019/04/30(火) 23:59:33|
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せいすいさりょう

Author:せいすいさりょう


清水茶寮(せいすいさりょう)では、
無農薬・無肥料の、昔ながらの製法のお茶をはじめ、品種のもつ個性を活かして作られた煎茶、挽きたての抹茶、有機農法(バイオダイナミック農法)によるハーブなどをご用意して、日本のお茶の美味しさをご紹介しております。
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